健康か否かをさておいて私はサーマレストのマットで眠っている
2011年以降、私はサーマレストのマットで寝ている。一時期はスノーピークのマットを使っていたが、今ではうちの家族が布団代わりに使っている。
今考えると、非常に短絡的な思考であったが、災害が発生した後の避難生活を想定して、寝具をアウトドア用品にしようと思い立ち、アウトドア用のマットと、寝袋を使って眠ることを、10年間実施している。いろいろと試行錯誤をしながらも、今は何の不具合もなく継続できている。
マットは最終的に、サーマレストのリッジレストに落ち着いた。スノーピークのマットは非常に快適で、ぜいたくな眠りを提供できる逸品であった。近くにスノーピークの公式取扱店があったことも幸いして、スノーピークの製品の多くに、直接手を触れることができた。スノーピークの製品は作りがしっかりしており、本物の風格が漂っていた。たとえアウトドア用品のすべてに触れていなくても、スノーピーク製品のすごさはわかった。
しかしリュックに入れるには大きすぎた。スノーピークの製品は、大きな車で大量のキャンプ用品を運んで、ぜいたくなひと時を過ごすためのアウトドア用品であった。私は、リュック一つで移動して宿泊することを想定していたので、自然と、旧来のアウトドア用品?を扱っているメーカーを探索することとなった。
真っ先にヒットしたのは、サーマレストだった。Amazonで早速サーマレストの空気マットを購入して愛用した。アウトドア界のトヨタのような、無駄を極限まで切り詰め、軽量化と機能の両立を追求し、最大限の快適さを求める姿に感銘した。
その後、Nemoとよばれる気鋭のアウトドアメーカーが製作したマットや、日本のダンロップが製作したマットを使ってみたが、軒並み壊れてしまい、廃棄した。空気を入れて膨らませるマットは、風船の間にスポンジを挟み接着させた構造であるが、風船とスポンジが剥離してしまうと、風船が膨らんでしまう。そして、風船にならなかったものが、サーマレストのプロライトだった。
しかしながら、サーマレストのプロライトでは問題があった。耐圧を適度に分散できず、腰が痛くなったり、背中が凝ってしまったことであった。ヒトの体は、寝ているときもバランスを取ろうとしており、背中の傾きが変わると、姿勢を保とうとして体が反応する。おそらく、寝ている間に数百回の動きを経験して、体は疲労しているであろうことを実感した。
空気式のマットは、体にあまりよくなかろうことを実感した後、いわゆるクローズドセル方式のマットを見つけた。いつものアウトドア用品店で。サーマレストのZライトは、硬質のスポンジに凹凸加工したようなマットで、折り畳み式であることが特徴である。これは非常に快適なマットで、体圧を無数の突起で支えてくれる良い製品であった。
しばらく使っていると、凸部がむしれていることに気づき、この製品の耐久性に疑問を持つこととなった。よくよく考えてみると、キャンプ用品というものは、キャンプという、いわゆるハレの時間を過ごすための用品であろうが、私のようにキャンプ用品を毎日使うユーザーにとっては、Zライトは耐久性に劣る製品であった。
そして行き着いたのが、そっけない形の、サーマレストのリッジレスト。最初は蒸着ありのタイプを使っていたが、最終系は蒸着なしのタイプ。蒸着なしのタイプが、若干耐久性に優れるように思えたため。これは、そっけないくらいの硬さであったが、毎日の使用に耐えうる設計であり、なおかつ背中に負担のかからない硬さであった。
こうして、最終系が確定してからは5年程度は使用していると思う。リッジレストといえども、毎日使うと圧縮されてくるので、定期的に買い替えている。先月に4代目のリッジレストを購入した。
新しいマットは、新しい畳と同様に、踏みしめると気持ちがよい。
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